【春日若宮おん祭】7月1日~中心神事前日12月16日「流鏑馬定・縄棟祭・大宿所詣・宵宮詣」などの見どころ・スケジュールと詳しい内容など

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春日若宮おん祭で行われる神事のうち、開幕となる7月1日から、中心神事が行われる前日の12月16日までのスケジュールと神事の内容を詳しくご紹介します。

春日若宮おん祭では実に多くの神事が、長期間にわたって行われるため、スムーズに観光するためには、いつ、どこで、どのようなことが行われるのかを把握しておくことが大切です。

中心となるのは、中心神事が行われる12月17日ですが、その前日までにもいくつもの見どころがありますので、最後までご覧いただき、見どころをしっかりチェックしてください。

 春日若宮おん祭に関してはこちらの記事もどうぞ。

 春日若宮おん祭全体のスケジュール 「春日大社「春日若宮おん祭」の「日程・時間・スケジュール・混雑状況 (人出)や混雑回避・桟敷席の概要」など」

 春日若宮おん祭の歴史や由来について 「【春日若宮おん祭とは】歴史と由来・春日若宮御祭礼絵巻物って何?」

 中心神事12月17日~12月18日のスケジュール・神事内容 「【春日若宮おん祭】12月17日~18日「お渡り式・大名行列・松の下式・御旅所祭」の見どころ・スケジュールと詳しい内容など」

7月1日の神事スケジュール&内容

7月1日 14:00「流鏑馬定」(やぶさめさだめ)

春日若宮おん祭の始まりは7月1日の流鏑馬定(やぶさめさだめ)です。

明治維新(1867年~1868年)までは、興福寺による「御祭礼事始」として行われていましたが、明治維新を機に流鏑馬は一旦停止しました。

しかし、1985年(昭和60年)に復活せられ、平安時代同様の儀式を見ることができるのは幸せなことです。

流鏑馬定は、「御祭礼事始」の言葉のとおり、「これをもって、春日若宮おん祭を始める」という合図となる儀式です。

またそれと同時に、流鏑馬定によって、その年の祭礼における流鏑馬を行う稚児(ちご)を決めることも行われます。

10月1日の神事スケジュール&内容

10月1日 11:00「縄棟祭」(なわむねさい)

春日若宮おん祭において、若宮神社から神様がお渡りになり、1日留まる仮宮を、「行宮」(あんぐう)と呼びます。この行宮は、御旅所と同じ意味です。

縄棟祭は、この行宮の起工式にあたる儀式です。

奈良県、大柳生村の片岡家が「春日縄棟座(かすがなわむねざ)」として代々ご奉仕を行い、松材で建物を組み上げて、神事が行われます。

この時使われる材料は、

  • 雌松52本
  • 縄52尋(ひろ)※
    ※1尋=1.515m。52尋=およそ79m

写真は、2013年12月に撮影された行宮の解体の様子です。立派な松材が使われていることがわかります。


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12月初頭の神事スケジュール&内容

12月初頭11:30 馬長児僧位僧官授与式(ばちょうのちごのおくらいうけ)

流鏑馬定で決められた稚児は、祭礼当日には「法院権大僧都」の位を授けられ、奉仕を行います。

稚児たちは興福寺に参り、別当(興福寺の統括長官)から直々に、僧衣と位を賜ります。

12月初頭13:00 装束賜りと精進入り(しょうぞくたばりとしょうじんいり)~御湯立(みゆたて)

春日若宮おん祭に参加することが決まった人が集められ、当日の装束に身を包んで若宮神社でお祓いを受けます。

またこの時から、稚児をはじめとする、祭礼に参加する人は、精進潔斎に入ります。

家の門には榊が飾られ、、「春日若宮御祭礼致斎之事(かすがわかみやごさいれいちさいのこと)」と書かれた札が立てられます。同時に、家の周囲には注連縄が張られます。

つまり住居そのものが1つの結界となるわけです。

この中で、神事に参加する人はできるだけ外界と関わらないようにします。また当日までお肉を食べることはできません!(ほんとですよ)

12月15日の神事スケジュール&内容

12月15日13:00 大宿所詣(おおしゅくしょもうで)

いよいよ、当日が近くなり、大宿所詣が行われます。

大宿所というのは、祭に参加する武士が精進潔斎する場所です。この武士は「大和士(やまとざむらい)」と呼ばれ、具体的には

  • 願主役(がんしゅやく)
  • 御師役(おしやく)
  • 馬場役(ばばやく)

がいます。

大宿所詣では、猿沢池の近くにある大宿所へ、JR奈良駅から行列が進みます。

大宿所詣は、17日の大行列に比べて小規模で、また見に来る人も少ないことから大きな混雑がなく、混雑は苦手だけれど春日若宮おん祭を見たい! という人には人気の見どころとなっています。

大宿所詣のルート

大宿所詣のルートは、

JR奈良駅→三条通→東向き商店街→花芝商店街→近鉄奈良駅→小西通→三条通→大宿所(餅飯殿センター街)

となっています。

大和士、渡り神子(わたりみこ)などが練り歩く華やかな行列が大宿所まで至ります。


大宿所の内側は上の写真のようになっています。

奥側には、雉、鯛、鮭といった懸物(かけもの)のお供えが供えられています。

御湯立は参加者参列者を清める行事

「御湯立(みゆたて)」は、巫女が煮え立ったお湯を使い、祭礼への参加者や参列者を清める行事です。

この巫女は「惣一(そのいち)」と呼ばれていて、腰には安産のお守りである「サンバイコ」という縄を巻いています。御利益を得たい妊婦も集まります。

巫女のまくお湯や、鈴の音によって空間そのものや、そこに存在する全てのものが清められます。そして春日若宮おん祭の無事執行が祈られるのです。


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12月15日17:00 大宿所祭(おおしゅくしょさい)

大宿所祭では、のっぺ汁やあめ湯が参拝者に振る舞われます。

のっぺ汁は、ニンジン、こんにゃく、ごぼう、イモ、生揚げなどが入った野菜汁ですが、あくまでも精進で、肉類は入りません。

あめ湯は、よく知られた「冷やしあめ」の温かいものです。

そして、大宿所の中では祝詞の奏上、神楽舞などが行われ、本番の春日若宮おん祭が無事に終わるようにお祈りが捧げられます。

12月16日の神事スケジュール&内容

12月16日14:30 大和士宵宮詣(やまとざむらいよいみやもうで)

いよいよ、日付は主要祭祀の前日、16日に入ります。

午後になって、「大和士宵宮詣」が行われます。これは、さきにご紹介した大和士(やまとざむらい)の面々と、流鏑馬児(やぶさめのちご)とが、若宮神社へ参り、春日若宮おん祭の無事催行を祈る行事です。

それぞれから若宮様へ御幣を奉ります。

12月16日15:00 田楽座宵宮詣(でんがくざよいみやもうで)

翌日、17日に神事芸能を奉納する田楽座が、春日大社の本社と若宮神社とで、先立って田楽奉納を行います。

田楽とは?

田楽とは元々、田植えの時に豊作を祈って、農業をしながら歌を歌ったり、舞を舞ったのが発端です。

これを平安貴族が、観賞用として行わせたことを起源とし、徐々に民俗芸能として楽しまれるようになりました。

基本的には、豊作を神に祈る行事だったこともあり、祭礼時に奉納されることは何ら不思議なことではありません。

実際に平安時代にはブーム状態だった田楽も、鎌倉時代には猿楽のほうがメインとなったために衰えてしまいますが、祭礼としての田楽は春日若宮おん祭や、熊野那智大社で行われている「那智田楽」等の形となって残されています。

12月16日16:00 宵宮祭(よいみやさい)

宵宮祭では、神前に神饌(しんせん=神様が召し上がるお食事)を備え、翌日のお祭りの無事執行を祈ります。

このときお供えされるものを、特に「御戸開(みとびらき)の神饌」と呼びます。「御戸開の神饌」とは、神社の扉を開く時にお供えする特別な神饌です。

宵宮祭が行われた後は、若宮神社の本殿が白い御幌(とばり)で覆われ、拝見することはできなくなります。

いざ、17日の「春日若宮おん祭」中心神事へ!

7月から準備を行い、満を持して17日の中心神事へ向かう春日若宮おん祭。

当日、奈良へお参りされる方は、ぜひ17日、18日のスケジュールもチェックしてみましょう!

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